図面どおり、だけじゃ足りない?
町工場がやってる加工前のひと工夫
「図面の通りに作ったのに、なぜかNG」
これ、加工屋あるあるです。
こっちは寸法も公差もバッチリ合わせたのに。。
「いや~こちらの意図と違うんですよねぇ」とか「図面変更してなかったです」と返される。
…正直、心の中では「先に言ってよ」って思います(笑)
図面は正しい。でも、図面は万能じゃない
図面には寸法や加工条件がびっしり書かれています。
でも、実際には書ききれないことやアップデートされていないことも意外と多い。
「言わなくても分かるでしょ?」の部分が、一番ズレるんです。
- 面取りサイズの解釈・・・糸面取りの解釈がC0.2以下だったり、C0.1以下だったり
- 公差の記載がない部分の解釈・・・±0.1だったり0/-0.2だったり
- 表面粗さは指示通りだけど意図と違う・・・ ▽▽▽の解釈がズレてたり。。Ra1.6なのに図面は1.6と記載されたり
これ、全部「図面どおり」でも起きる話です。
うちがやってる“ちょっと面倒くさい”確認
うちでは、図面を受け取ったらそのまま加工しないことが多いです。
あれ?なんかおかしいかも?と思ったら。。。まずは細かい質問攻撃から始めます(笑)
- この寸法や面粗さ、厳密さはどのくらい必要?
- 面取りの指示の意図は?
- 公差が書いてない所、こっちの基準でOK?
遠慮せず聞きます。だって、後から数千個、数万個作り直すよりマシですから。
正直、発注側からすると「細かいな〜」って思うかもしれません。
でも、“面倒くさいくらいの確認”が、トラブルの芽を潰す一番の武器だと思っています。
遠方取引こそ、このひと手間が命
うちは鳥取なので、直接会って図面を指差しながら話す機会はあまり取れません。。
だからメールや電話でのやり取りが命綱です。
「まあ大丈夫でしょ」で進めた案件ほど、後で痛い目を見る。
特に遠方では、“聞きすぎ”くらいがちょうどいい。
実際、「あのとき聞いてくれて助かった」と言われること、意外とあります。
加工は機械、人の会話が品質を決める
機械は正確に削ります。でも、機械は意図を読めません。
加工前のひと工夫=お互いの前提をそろえること
これをやらないと、図面どおりでも不良になることがあります。
だから、これからも“余計かな?”くらいの一言は入れていきます。
だって、最後に困るのはお客様だし、ちょっとだけ困るのはうちですから(笑)
図面どおり+余計と思われるくらいの確認=トラブルゼロ。
加工の精度はミクロン単位でも、会話は“しつこいくらい”がちょうどいいのかもしれません。